「認知症の妻の年金保険を解約したい」が不可の理由 指定代理請求人の注意点を解説します

民間の保険で重要な人と言えば、契約者と被保険者でしょうか。

あるいはそれが死亡保険なら、死亡保険金受取人を思いつく人も多いでしょう。

しかしもう1人、重要な人がいます。

それは、指定代理請求人です。

ここではその、指定代理請求人について掘り下げます。

目次

指定代理請求人とは

まず、指定代理請求人がどういう立場の人なのかを確認します。

指定代理請求人とは、被保険者が受取人の場合で、受取人が保険金等を請求するのが困難な場合に受取人に代わって保険金等を請求できる人として、その保険の契約者によって指定された人です。

保険に加入する際、契約者は指定代理請求人1名を所定欄に記載しますが、指定代理請求人の指定・変更にあたって契約者は、被保険者の同意を得なければなりません

指定代理請求人になれる人

指定代理請求人は、誰を指定してもいいわけではありません。

【指定代理請求人になれる人】

被保険者と以下の関係にある人

 ・戸籍上の配偶者

 ・直系血族

 ・兄弟姉妹

 ・同居または生計を一にしている被保険者の3親等内の親族

上記の他、被保険者の財産管理を行っている人や死亡保険金受取人など、保険会社が認めた人

さらに、請求時においても上記の範囲でなければなりません。

指定代理請求人による請求の注意点

受取人が保険金等の請求を行うのが困難な場合>としては、

・ 被保険者が重い病気にかかったとき、身体障害状態・高度の障害状態になったとき

・ 被保険者が介護状態になったとき

などが思いつきます。

その際、指定代理請求人が請求するのは、医療保険の給付金や身体障害保険金や介護保険金、さらには満期金や年金等などです

しかしそれ以外にも、指定代理請求人が受取人に代わって請求する(できる)場合があります。

それは、受取人に病名が知らされていない場合です。


例えば、がんや余命6か月以内と診断された場合などで、がん診断給付金や三大疾病保険金、あるいはリビング・ニーズ特約の保険金、保険料払込免除などの請求です。

実際このような事になった場合、指定代理請求制度がある事に救いを感じる人もいるでしょう。

そして保険会社は、これらの請求が指定代理請求人によってなされた事を被保険者に知らせる事はありません

ところが契約は、保険料払込免除をはじめ保険金等の支払いによって特約や契約そのものが消滅するなど、変化します。

この点だけ考えても、被保険者と契約者が同じ契約(こういう形態が多いですね)では、指定代理請求人やご家族が伝えなかった事が、被保険者(契約者)に知られる可能性があります。

これが注意点です。

契約内容については基本的に契約者のみに説明・回答するのが保険会社なので、何であれ、契約者から問い合わせがあれば、保険会社は回答します。

指定代理請求人でも決して「できないこと」

ところで、指定代理請求人が決してできない請求があります。

それは契約の「解約」です。


以前、

「妻が認知症になった。お金が必要だから、妻の年金保険を解約したい」

と仰った男性がいました。

指定代理請求人であるご主人です。

解約は契約者本人しかできない旨をお伝えするとご主人はかなりご立腹でしたが、この点で認識違いをしているお客様は多いのではないでしょうか。

「注意点」に意識を向けてリスク回避を

指定代理請求人に関する説明は以上です。

保険会社によって細かい点は異なるかもしれませんが、重要な点は共通していると言えます。

指定代理請求人ができる事以上に、指定代理請求人による請求の注意点や指定代理請求人ができない請求の方に、むしろ大切な内容が含まれていると考えます。